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院長のひとりごと

2014年2月20日

獣医師国家試験が

 

2月18日~19日の2日間にわたって実施されました。

 

国家試験は獣医学生にとっての最終関門。

 

何しろ、これに受からなければ

 

大学を卒業できても

 

どんなに条件のいい内定をもらっていても

 

すべてが水の泡と化してしまうわけですから

 

獣医学生(受験生)の皆さんは大変なプレッシャーの中

 

これ以上ないほど必死に頑張ったことでしょう。

 

本当にお疲れ様でした。

 

私も

 

秋に卒業論文を提出してからの3~4ヶ月間

 

おそらく今までの人生で最も集中して勉強したであろう

 

その当時を懐かしく思い出しながら。。。

 

・・・・・

 

30年前

 

当時「国家試験対策委員」をやることになった私は

 

試験の傾向と対策をまとめる大役を任されることになり

 

会報の発行や他大学との連絡など

 

とにかく忙しい毎日を送っておりました。

 

一番大変だったことは

 

6年制に移行して最初の国家試験ということで

 

問題のスタイルがガラッと変わってしまったことでした。

 

それまでの記述式からマークシートに変わることになり

 

過去問が一切通用しない手さぐり状態での情報集めは

 

もうめちゃくちゃ大変!!

 

何をどうすればよいのかま~ったくわからず

 

半ば開き直りの感もありました。

 

それでも何とかかんとか準備を整えて

 

いよいよ明日が試験日というところまでこぎつけたのですが

 

試験の前日に会場近くのHOTELに皆で宿泊してからも

 

ひと騒動があって。。。

 

夜になって

 

明日の試験で出る可能性の高い予想問題が出た! といっては

 

各部屋を回って全員に伝えて

 

それがガセネタだったとわかって今度は訂正に走ったり。。。

 

何しろ、ケータイやスマホなんてなかった時代ですから

 

口頭で順番に伝えていくしかなく

 

これがまたおそろしく大変だったんです。

 

ま、今となっては楽しい思い出の一つですが(^_^;)

 

結局

 

あんなに勉強したのに

 

今携わっている臨床に関すること以外の内容は

 

あっという間に忘れてしまいました。

 

ただ

 

ひとつだけ忘れずに覚えているのは

 

食中毒を起こす魚介類の中で

 

おもしろい名前のカニがいたことです。

 

麻痺性貝毒のゴニオトキシン・サキトキシン・ネオサキトキシンや

 

フグ毒のテトロドトキシンを持っており

 

生息地によって成分の構成比、毒量が大きく異なるそのカニの名前は

 

スベスベマンジュウガニ!

 

この名前ばかりは

 

何年経っても忘れようがありません。

 

ホントにおもしろい名前だと思いません?

 

でも

 

おもしろいのは名前だけ。

 

絶対に食べてはいけませんよ。

 

猛毒を持つスベスベマンジュウガニは

 

食べたら、おもしろいでは済まされません。

 

命を落としてしまいますからね。

 

 

2014年1月17日

抗がん剤はそれほど頻繁に使う薬ではありません。

 

ただし

 

リンパ腫などの治療においては積極的に使っていきます。

 

通常は複数の抗がん剤を

 

プロトコールに従って組み合わせて投与していくのですが

 

体重や体表面積によって投与量は変わってきます。

 

チワワのような小型犬とラブラドールのような大型犬とでは

 

使う量がまるで違ってきます。

 

治療がうまくスタートして順調に計画が進んで行けばOKなのですが

 

途中で副作用が強く出てしまい

 

プロトコールを変えなくてはならなくなったり

 

不幸にしてその子が亡くなってしまった場合などは

 

抗がん剤はしばらく使うことがなくなり

 

やがて使用期限が切れてしまうことに。。。

 

当然、未使用のまま破棄しなければなりません。

 

もったいない話ですが、これはこれで仕方ありません。

 

抗がん剤に限らず

 

その子のために特別に用意した珍しい薬であればあるほど

 

使う必要がなくなったあとは

 

そのまま無駄になってしまうことが多いのです。

 

そういう薬に限ってものすごく高価だったりするので

 

病院の損失もバカになりません(T_T)

 

もともと人間のための薬を使うことが多いため

 

例えば使うのはたった1本なのに

 

10本入りを仕入れなければダメだったり。。。

 

もっと効率よくする方法を考えればいいのだけれど

 

だからといって

 

効率を優先するあまりに

 

よい治療が出来なくなってしまっては本末転倒です。

 

というわけで

 

時々(しょっちゅう?)採算を度外視した薬を仕入れては

 

月末の請求書をみてタメ息をつく今日この頃(^_^;)

 

う~ん

 

とても頭の痛い問題ですね、これは。

 

 

2013年12月15日

“ネコの集会”というのをご存じですか?

 

ネコの集会が行なわれるのはたいてい夜更け。

 

場所は近所の公園や空き地、神社の境内など人けの少ない場所です。

 

飼い猫も野良猫も、どんなにわがままなネコでも集まってきます。

 

そこで何をしているかというと、

 

互いに間隔をあけて座り、

 

ケンカするわけでもなく鳴きあうわけでもなくじーっとしています。

 

そして1時間ほどで静かに解散していくのです。

 

それでも決してお互いが無関心なわけではなく、

 

ちゃんと集会としての意味があるのです。

 

ネコも犬と同様、自分のなわばりを持っていて、

 

多くの場合互いのなわばりは重なり合っています。

 

特に都心などでネコが密集している地帯では、

 

縄張りがいっしょくたになってしまいます。

 

ネコ同士にもある程度の順位が決まっていますが、

 

なわばりが重なっているため、

 

どうしても同じ場所を行き交うことになります。

 

そんな時、

 

ネコは順位に関係なく互いのなわばりを尊重し合います。

 

なるべく出会わないように時間をずらしたり、

 

出会ったときは先に気づいた方が道をゆずります。

 

また、

 

食べ物が多いごみ捨て場や、日光浴をするのに適している場所は、

 

誰かのなわばりであってもなかよく共有します。

 

ネコの集会は、

 

なわばりで出会ったり場所を共有してもおかしくない相手=仲間、

 

そういう仲間を確認する大切な場なのです。

 

新顔がいればそこでにおいを覚えます。

 

ネコは単独生活者ではありますが、

 

意外にも、民主的に社会のルールを守っているのです。

 

2013年10月30日

人間の病院で

 

「なんだか吐き気する」とか「嘔吐があって・・・」という患者さんが来ても

 

すぐにレントゲンを撮ったりはしないですよね。

 

それは患者さん自身が症状をある程度伝えることが出来るのと

 

まず

 

人間は変なもの(異物)を食べたりすることが考えにくいからなんですね。

 

でも動物病院では

 

嘔吐している動物が来た時は

 

ほとんどのケースでレントゲン検査は必要になってきます。

 

まずは異物がないかどうか。

 

異物といっても

 

石や金属のようにレントゲンに写るものばかりではありません。

 

ビニールや布きれだってあるわけですから

 

それを見逃してしまったら大変です。

 

こういったことが考えられる場合は

 

造影剤を使った検査も必要になってくるでしょう。

 

通常、レントゲン検査というのは

 

右側を下にした横臥状態で1回

 

背中を下にした仰向け状態で1回

 

の2方向の撮影をしますが

 

より正確な診断をするためには

 

左側を下にした横臥状態とお腹を下にしたうつ伏せ状態を合わせた

 

計4方向の撮影が必要になってきます。

 

場合によっては

 

これら4方向に斜め方向を追加したりすることもあります。

 

何故ここまで詳しい検査をすべきなのか?

 

それは

 

緊急に開腹手術をしなければいけない状態なのか否かを

 

確実に鑑別しなければならないからです。

 

動物が吐くことは珍しくはありません。

 

でも

 

その吐き方がいつもと違うから病院に来るのであって

 

何も検査しないで「様子を見ましょう。」などとは

 

軽々しく言うべきではないでしょう。

 

私もまだ経験が浅かった勤務医時代

 

「吐いてるんだけど、食欲もあって元気もあるから大丈夫ですよね?」

 

という子が

 

診察が終わるギリギリの時間に来た時など

 

早く仕事を終えたくてついつい検査を端折って

 

「吐き気止めの注射を打って様子を見ましょう。」

 

と言ってしまったことがありました。

 

そして

 

その夜に容態が急変し

 

レントゲン検査で異物による閉塞が見つかり緊急開腹手術に!

 

その子は完治してくれたから良かったものの

 

余計な心配をさせてしまったオーナーさんにゴメンナサイ。

 

迷惑をかけてしまった院長にもゴメンナサイ。

 

メチャメチャ反省しました、ホント (>_<)

 

とにかく

 

嘔吐がみられる動物が来た時は

 

緊急性があるのか否か

 

これを確認するためにはレントゲン検査は必須です。

 

最近は

 

超音波検査も含めた胃腸の検査で

 

緊急性のある疾患を見逃すことはほとんどなくなりました (^_^)v

 

 

2013年9月14日

夜間救急動物病院に勤務している知り合いのK先生の話です。

 

夜の10時から朝の5時くらいまでの勤務の間に

 

大体5~6件くらいの急患が来るそうです。

 

ほとんどは翌日の主治医につなぐまでの応急処置で済むそうですが

 

中には緊急麻酔処置や手術になるケースも。

 

主な例では

 

胃捻転・腸閉塞・帝王切開・子宮蓄膿症・尿道閉塞など。。。

 

何が大変かと言ったら

 

翌日まで内科治療だけでいいのか

 

今夜中に緊急に手術をしないといけないケースなのか

 

その見極めをしっかりしないといけないことなんだそうです。

 

そのためには

 

身体検査にはじまって

 

血液検査・尿検査・便検査その他や

 

レントゲン検査・エコー検査などを

 

フルに駆使して「究極の判断」をしなければいけないわけですが

 

当然のことながら料金の問題が絡んできます。

 

夜間診療はほとんどが初診になるために

 

来院するだけで既に10000円近くの金額が発生してしまいます。

 

そこにきて

 

さらに検査費用がドンとかかってくると

 

オーナーさんの中にはそこまで希望されない方もいらっしゃるわけで

 

そうなると先ほどの「究極の判断」はますます難しいものに。。。

 

結果、一抹の不安をかかえながらも

 

対症療法でお茶を濁し

 

翌朝に主治医のもとへ帰す時の何とも言えない悶々とした気持ち。

 

その後その子がどうなったかの連絡が来ることははほとんどなく

 

継続治療で徐々に良くなっていく喜びを

 

オーナーさんと分かち合うことのない一夜限りの治療に

 

時々やるせなさを感じるのだそうです。

 

緊急時に対する処置の技術はものすごく上達するし

 

なにより真剣勝負(私たちだって日々真剣勝負ですけどね)の画像診断の

 

上達度が今までとは比べ物にならないほどで

 

獣医師として救急病院に勤務するメリットは数え切れないほどあるのに。。。

 

十分に社会貢献が出来ているとわかってはいても

 

長く続けていこうとは思いたくないのだそうです。

 

やはり時間をかけてオーナーさんといろいろやり取りをし

 

その子の完治を見届けたい。

 

でも

 

今夜もその思いを封印し

 

今しばらくは救急病院を必要としている子のために頑張る。

 

K先生はそう力強く宣言していました。