コラム
2008年5月9日
この瞬膜の中にあるリンパ組織が腫れてしまうと腫瘤を呈するようになり、外に向かって突出し、ひどい場合は眼の中に戻らなくなってしまいます。瞬膜炎と呼ばれるこの病気は細菌感染が主な原因と考えられており、年齢に関係なく発症し、両方の眼に出てくることが多いようです。
通常は抗生物質の点眼や内服で治療していきますが、最終的には外科的処置が必要になるケースが多いようです。この瞬膜内のリンパ組織は涙の産生に少しは関与しているので、出来ることならば切除せずに内科的に治したいところなのですが、この写真のウサギさんのように相当大きく突出してしまった場合はやはり外科切除が必要になります。
言い忘れましたが、瞬膜はウサギだけでなく、犬や猫にもあります。人間の瞬膜はほとんど退化しており、痕跡だけしかみられません。