コラム
2009年11月28日
食欲・元気が全くなくなってしまったウサギさんが来院しました。
血液検査で腎臓の数値が大変なことになっています。レントゲン検査の結果、右の尿管に径7mmもある大きな結石が詰まっていることがわかりました。右の腎臓はかなり腫れてしまっています。
このウサギさんは急性の腎後性腎不全に陥っていたので した。尿管から結石を取り出す緊急手術を行い、何とか事無きを得ましたが、再発の可能性も十分考えておかなければなりません。ウサギさんのカルシウム代謝は犬や猫と違って、特異的です。口から入ったカルシウムは消化管から無制限に吸収され、余った血清カルシウムは胆汁中に排泄されずに、ほとんどが尿中に排泄されます。そのためにカルシウム尿結石は残念ながら比較的よくみられる病気なのです。もちろん結石が出来やすい・出来にくいなどの個体差もあるでしょうが、一度尿結石が出来てしまったウサギさんは、その後の食事内容には十分気を配る必要があります。
ペレットはチモシー100%のものを選ぶ、牧草の比率を多くする、生野菜では大根の葉などのカルシウム含有量の多いものを与えない、おやつの成分を吟味して少しでも疑いのあるものは与えない、などの注意が必要です。