コラム
2010年3月3日
排尿姿勢はとるが、排尿がほとんど見られないというウサギが来院。
レントゲン検査で尿道に大きな結石が詰まっていることが確認されました(写真)。手術で取り出したのはウサギに最も多い炭酸カルシウム結石。ウサギではカルシウムの排泄のほとんが尿から行なわれます。犬猫ではカルシウムの尿中への排泄が2%以下であるのに対してウサギではそれが45~60%にも達するそうです。
つまり、ウサギは常にカルシウム系の結石が出来やすい状況にあるということです。 カルシウム系の結晶には尿酸性化剤は効果がありませんから、出来てしまった結石に対しては、外科的な処置しか選択の余地がありません。結石が出来ないような予防が大切だということですね。予防的には、低カルシウムのチモシー100%フードに切り替えたり、飲水量を増やしたりすることが大切です。飲水量を増やすといっても、水だけをたくさん飲んではくれませんから、生野菜を少し多めに与えるなどで対処すればいいでしょう。ただ、この場合も、大根の葉・カブの 葉・小松菜・モロヘイヤなど、カルシウム含有量の高い野菜は与えないような注意が必要ですよ。