コラム

2009年9月26日

20090926フェレットはA型および型インフルエンザにかかることが知られています。

人間からうつされたり、人間にうつしたり、どちらも起こりえます。フェレットは外に出ることがあまりないので、インフルエンザにかかった人間から病気をもらう場合がほとんどですが、もちろん逆のケースもあります。品評会などで他のフェレットからインフルエンザをもらってしまい、その後人間にうつるというようなケースもないとは言えません。

 

症状としては割と軽いケースが多く、目ヤニ・鼻 汁・クシャミ・発熱・下痢などが見られます。1~2週間くらいは症状が続きますが、通常は対症療法で回復していきます。ですから、フェレットのインフルエンザはけっして怖い病気ではなかったのです、今までは。。。

でも、今流行の新型インフルエンザについてはまだよくわかっていないのが現状です。

新型インフルエンザもA型ですから、当然フェレットにも感染がみられるのではないかという予測は出来ますが定かではありません。ただ言えることは、オーナーがもしインフルエンザにかかってしまったら、新型であろうとなかろうと、別の人に世話をお願いした方がよいでしょう。

1人暮らしの方は動物病院に預けるなどの対処法を考えた方がよいかも知れませんね。

2009年9月4日

20090904夏休みも終わり、学校が始まったとたん、新型インフルエンザの影響でいきなり学級閉鎖なんてところもあるみたいで、何だか大変ですね。

何せ目に見えないウイルスが相手ですから、対策といってもマスク着用だけではどうしても心持たないですよね。体の中に侵入されたらひとたまりもないわけですから、1日も早いワクチンの普及が待たれるところです。

季節の変わり目は動物たちも体調が整いにくいものです。夏の疲れが出てくる時期と重なったりすると免疫力が低下し思わぬ病気にかかってしまうことも考えられます。健康管理には十分気をつけて下さいね。

 

特に予防関係は抜け・もれがないかもう一度ご確認下さい。

ワクチンなど、うっかり忘れていたら早いうちに接種しておいた方がいいと思いますよ。

2009年8月24日

200908248月も残り1週間となりましたが、まだまだ一向に涼しくなる気配はありませんね。動物たちの暑さ対策もまだまだ気を緩めずにしっかりやってあげて下さい。

自宅での空調管理などはもちろんのこと、フードや飲み水がいたんでいないかなど、確認事項はたくさんありますので、是非しっかり管理してあげて下さいね。 意外と失敗しがちなのが、自宅と病院との往復の間の温度管理です。車から降りて移動するわずかの時間でも、キャリーの中は予想以上に暑くなり、場合によっては蒸し風呂状態になることも。この「少しだけだから・・・」というのが結構くせものなんです。

 

特にフェレットはキャリーの中にハンモックを吊ったものも あり、中に潜り込んでいるとちょっとした熱射病状態になっていることもあります。暑い日中に移動しなければならない時は水を凍らせたペットボトルなどを冷 却用にキャリーに入れておくと良いしょう。いわゆる保冷剤と呼ばれるものの中にはかじると危険なものもあるので、水を凍らせたペットボトルか缶ジュースをそのまま凍らせたものの方が良いでしょう。

ちょっとした気配りが動物の健康をまもります。頑張って夏を乗り切って下さいね。

2009年8月3日

20090803お尻が汚れているというハムスターが来院しました。見ると確かにお尻の周囲や尻尾が湿って汚れています。俗に言う「ウェットテール」の状態です。

ウェットテールはほとんどの場合、下痢が続いていることを示しています。案の定、便検査で「ジアルジア原虫」(写真)がたくさん検出されました。ジアルジア原虫は 小腸に寄生し、脂肪の吸収を妨げるので、主に脂肪性の下痢を引き起こします。成長期のハムスターでは栄養障害や脱水により、場合によっては生命の危機に陥ることもあるので、しっかりした治療を施さねばなりません。

 

基本的にはフェンベンダゾールやメトロニダゾール、プロバイオティクスなどの内服薬を用いますが、脱水緩和のための皮下補液が必要な場合もあります。いずれにしてもハムスターの「お尻が汚れている」状態はけっして好ましい状態ではないことを十分ご理解下さいね。

2009年7月11日

20090711苦しそうに呼吸をしている猫ちゃんが来院しました。

昨日までは普通だったのに今朝から何だか様子がおかしいとのこと。聴診で肺の音がよく聞こえません。レントゲン検査で、胸腔内に空気が充満していて、肺が縮んでいる様子が観察されました。「気胸」です。

 

肺のどこかが傷ついて空気が胸腔内に漏れ出しているのです。緊急処置として、まずは翼状針を用いて胸腔穿刺を行い空気を除去しました。いったん猫ちゃんは落ち着きましたが、しばらくして再び呼吸困難に陥ったため、今度は胸腔内にチューブを設置して持続的に空気を除去する方法に切り替えました。

もしこの状態が数日続くようなら開胸手術が必要なところでしたが、 幸いこの子は2日目には胸腔内に空気が溜まらなくなり、呼吸も安定していたので3日目にチューブを抜いて退院することになりました。この猫ちゃんはその後再発もなく元気に過ごしています。気胸の原因としては、他の呼吸器の病気(肺炎・気管支炎など)によって起こる場合や猫ちゃん同士のケンカ・外部からの圧迫・交通事故等が挙げられます。何らかの形で肺が傷つくことによって起こるのです。

 

今回はどうやら同居猫と激しく遊んだ後に発症したようです。猫ちゃんを複数飼育している方は注意して下さいね。仲良し同士であってもあまり激しい遊びは控えた方が良さそうですよ。