コラム

2010年1月28日

20100128セキセイインコの骨折は珍しくはありません。手乗りでケージ外で生活する時間が長いほど事故に遭う確率は高くなります。

よくあるのが、透明なガラス窓にぶつかって落下した時に着地を失敗するケース。鳥を遊ばせる時はレースのカーテンなどをひいておくのがよいでしょう。また、肥満の子は普通に飛んで着地しただけでも骨折することがあるので体重管理には十分気をつけるようにして下さいね。基本的な治療はギプス固定です。鳥の場合は犬や猫と違って重いギプスはダメなので、綿花を使った特殊なギプスで固定します。うすく千切った綿花を少しずつ接着剤で重ねていきます。大体2週間くらいで治癒しますが、それまでの間は自ら外してしまわないようにカラーを装着しなければならないケースがほとんどです。骨折の痛み(副作用のないレメディーを用いてコントロールします)よ り、カラーのストレスに対してどう慣れてもらうかの方が問題かもしれません。大抵は1~2日で慣れてくれるのですが。。。

2009年11月28日

20091128食欲・元気が全くなくなってしまったウサギさんが来院しました。

血液検査で腎臓の数値が大変なことになっています。レントゲン検査の結果、右の尿管に径7mmもある大きな結石が詰まっていることがわかりました。右の腎臓はかなり腫れてしまっています。

 

このウサギさんは急性の腎後性腎不全に陥っていたので した。尿管から結石を取り出す緊急手術を行い、何とか事無きを得ましたが、再発の可能性も十分考えておかなければなりません。ウサギさんのカルシウム代謝は犬や猫と違って、特異的です。口から入ったカルシウムは消化管から無制限に吸収され、余った血清カルシウムは胆汁中に排泄されずに、ほとんどが尿中に排泄されます。そのためにカルシウム尿結石は残念ながら比較的よくみられる病気なのです。もちろん結石が出来やすい・出来にくいなどの個体差もあるでしょうが、一度尿結石が出来てしまったウサギさんは、その後の食事内容には十分気を配る必要があります。

 

ペレットはチモシー100%のものを選ぶ、牧草の比率を多くする、生野菜では大根の葉などのカルシウム含有量の多いものを与えない、おやつの成分を吟味して少しでも疑いのあるものは与えない、などの注意が必要です。

2009年11月18日

20091106時々悲鳴をあげるというチワワが来院しました。食欲・元気もいつもよりは落ちているようです。

嘔吐がみられたので気になって来院されたとのこと。血液検査では特に異常値がみられなかったのですが、レントゲン検査で小腸全体にガス像がみられ、イレウスの疑いがあったので、超音波検査で確認したところ、小腸に 異物らしきものが存在しているのがわかり、さっそく開腹手術を実施しました。手術で取り出したものは「プラスチックの☆型もの」でした。子供さんのおもちゃから取れてしまったもののようです。鋭く尖っていて、小腸を今にも突き破りそうな状態でした。本人は相当痛かったことでしょうね。本当に危ういところでした。

例えこんな小さなものでも誤食により大変なことになってしまうということを十分認識して下さい。室内でも散歩中でも、異物を口にしないようしっかり管理してあげて下さいね。

2009年11月6日

20091106米アイオワ州で新型の豚インフルエンザ(H1N1型)に感染した飼い猫が見つかったそうです。

4日にアメリカ獣医学協会から発表がありました。このウイル スは、これまでに豚・鳥・フェレットから検出されていますが、猫から検出されたのは世界初とのこと。この猫は13歳。3人家族の飼主のうち2人が新型インフルエンザにかかっていて、どうもその人たちから感染したのではないかと考えられています。元気も食欲もなくなって、一時呼吸困難な状態に陥ったようですが、アイオワ州立大学獣医学部で治療を受け、すでに回復したとのことです。もちろん飼主の方々も回復されています。それにしてもインフルエンザウイルスは怖いですね。

そのうち「犬にも感染が見つかる」なんてこともあるのでしょうか

2009年10月20日

20091020眼が真っ白に混濁している猫が来院しました。

聞けば、庭によく来る野良猫なのですが、しばらく姿を見せないなと思っていたら、今朝こんな眼になっていたんだそうです。やっとの思いで捕獲して連れて来たとのこと。

 

よく見ると角膜の矢印の部分に傷跡があります。他の猫とケンカでもしたのでしょうか。かなり時間が経過して角膜潰瘍になっています。角膜に傷がついたまま放っておくと、傷の部分から水分が角膜に浸潤して、強い混濁が生じてしまうのです。治療のために瞬膜被覆術を施したまでは良かったのですが、何しろ野良猫なので、何をしようにも大暴れで抵抗します。大変な管理でしたが、鎮静剤を使いながら約3週間頑張ったところ、努力の甲斐あって何とかキレイな眼に戻ってくれました。