コラム

2009年1月21日

20090121血腫は、動物の耳介に血液を主成分とする液体が貯留し腫脹する疾患です。

放っておくと、数週間から数ヵ月後には血腫部分の耳介軟骨が瘢痕収縮してしまい、 耳介は変な形に縮んでしまいます。耳介の外観を保つためにはきちんとした治療を施さねばなりません。一般的な治療方法としては、

①穿刺排液と薬剤の注入 (グルココルチコイド、インターフェロン他)を治癒するまで数回繰り返す方法

②外科的切開による方法(様々な手法があります)などがあげられます。

 

当院ではまず①の方法から始め(実際これで治癒するケースが多いです)、うまくいかない場合は②の外科手術へと移行していきます。外科手術は切開のやり方が幾通りもあります。メスで縦切開を加える方法や炭酸ガスレーザーで小孔を開けていく方法、皮膚生検用パンチを用いて丸く穴を開けていく方法(写真)など。いずれの方法でも最後は液体の溜まるスペースを与えないように縫合します。状況によってこれにドレインチューブを留置することもありますが、あとは包帯とバンテージでしっかり固定をし、10~20日かけて少しずつ抜糸していきます。

耳血腫は簡単に考えられがちですが、以外と治りにくいものです。耳が腫れていたらなるべく早く診察を受けるようにして下さい。