コラム

2007年11月25日

20071125細胞学的骨髄検査は、

①継続する血球減少症の原因解明のため

②急性白血病・慢性骨髄増殖性疾患・多発性骨髄腫などの骨髄腫瘍の診断のため

③病期の分類、主に骨髄外にある腫瘍の転移の把握のため

④感染症菌の証明のため

に実施されます。手技自体は短時間で済むのですが、通常は全身麻酔下での処置になります。腸骨翼もしくは大腿骨転子窩からの採取になりますが、数ミリ皮膚を切開したのち、専用の骨髄採取針を目的部位にあて、骨皮質を貫通させて達した髄腔から骨髄を採取します。大体0.5mlから1mlくらいの量を吸引すれば十分で、それ以上の量は吸引しない方が安全でしょう。

きちんとした手技が行なわれれば合併症(骨髄の感染、周囲組織の損傷、出血)の危険は稀ですし、例え出血性素因を持つ動物であっても骨髄検査は禁忌ではありません。骨髄検査によって得られる情報はとても貴重なものなので、必要だと思われる症例に対しては積極的に実施したいものです。