コラム
2007年8月13日
ハムスターの骨折は後肢に起こることが多く、何となく動きが鈍い、跛行しているといった主訴で来院するケースがよく見られます。
ただし、中には骨折していてもまったく気にせず軽快に動き回るハムスターもいるので、発見が遅れてしまうこともしばしばあります。後肢の骨折の中でも特に多いのが下腿骨(脛骨)の骨折で、その場合は跛行というよりも足がブラブラしてしまい、長時間そのままで動き回っていると、折れた骨が筋肉や皮膚を突き破って出てきたり、骨折部より下がねじれて壊死することもあります。
その場合は断脚せざるを得ません。写真のハムスターは骨折部より下がミイラ化してしまったため、膝関節のところで断脚を行ないました。ハムスターの骨折の原因としては、回し車に足を挟んだり、ケージの網床に足をとられたり、出入り口で足を挟んだり、天井にぶら下がっていて落下したりなど、ケ-ジや備品の問題で起こることがまず考えられます。また、誤って踏んだり、持っていて落としてしまったりなど、人間の不注意でも起こり得ます。つまり、すべては飼育管理の問題に行き着くわけです。
不幸な事故を防ぐために、普段から注意深い観察ときちんとした飼育管理を心がけるよう にしましょう。