コラム
2006年11月22日
狂犬病は、人を含めた全ての哺乳類に感染する病気で、発病すると助かる術がなく、 ほぼ100%死亡する非常に恐ろしいウイルス性の人獣共通感染症です。 日本・英国・台湾・ニュージーランド・スカンジナビア半島の国々などの一部の地域を除いて、 まだまだ世界中で発生がみられており、毎年約5万人の人と十数万頭の動物が発病死していると推計されています。 日本では1950年に狂犬病予防法が施行されて以来、1956年の6頭の犬の発生を最後に、 1970年にネパールで犬に咬まれた青年が帰国後発病死した1件を除き、今までずっと狂犬病の発生がありませんでした。 ところが、先日フィリピンで犬に咬まれた京都の男性が帰国後発病死するという悲しいニュースが・・・。 医学が目覚しい発展をとげた現代においても、未だに狂犬病の脅威にさらされている国が圧倒的に多いという恐るべき現実がそこにはあるのです。 対岸の火事だと思って安心している訳にはいきません。 日本が安全な国であり続ける為には、一番の感染源となるワンちゃんたちの予防を徹底すること (集団免疫がきっちり出来ていれば、病気の侵入があっても蔓延が防げるのです)、 そのことの大切さをもう一度ここで認識し直すべきなのではないでしょうか。