コラム
2008年7月18日
暑い季節がやってきました。夏場の代表的な救急疾患と言えば「熱射病」が挙げられます。日中の炎天下に長時間散歩をさせたり、部屋を閉め切ったまま長時間 留守番をさせたり、車の中に置きっ放しにしたり、このような時は熱射病になりやすいので注意が必要です。
ワンちゃんは人間と違って全身で汗をかくことが出来ません。汗をかく代わりに呼吸数を多くすることによって熱を放散するのですが、体温がもともと人間より高い上に小さい体は簡単に熱くなりやすく、放熱の効率も決していいとは言えません。ワンちゃんは、私たちが想像している以上に熱射病になりやすいのです(もちろん猫ちゃんにもウサギさんにもその他の小動物達にも同じことが言えます)。
ただし、熱射病になってしまった場合でも、早い段階で適切に処置をすることで、重症になるのを防ぐことができます。しかし 高体温の状態のまま長時間経過してしまった場合には、重症となり命を落とすことも稀ではありません。いざと言うときに慌てず適切な応急処置が早い段階で出来るように、ある程度の知識を持っておくことを普段から心がけておいて下さい。もちろん、熱射病は「なってから治療する病気」ではなく「ならないように予 防する病気」であることを十分認識しておかなければなりません。