コラム
2006年8月31日
耳を痒がる、頭を頻繁に振る、耳がくさい、耳の中が赤い、黒っぽい汚れや茶褐色の汚れが出る、 といった症状がみられる場合は外耳道炎が強く疑われますから、なるべく早めに診察を受けるようにしましょう。 外耳道炎は、清潔にすればすぐ良化するような軽度のものから、耳がただれてひどい痒みで夜も寝られないほどの重度のものまで様々です。 慢性化すると治り難くなって大変です。原因としては、最も多いのが酵母様真菌(マラセチア菌)の繁殖によるもので、酵母性外耳道炎と呼ばれます。 湿っぽい黒褐色の汚れと独特の発酵臭を伴います。 このマラセチア菌は、もともと健康な犬猫の体に普通に常在する菌ですが、いろいろな要因で、異常に繁殖しすぎると病気を引き起こしてしまいます。 マラセチア菌は、脂分を好み、高温多湿の環境で活発に増殖します。 ですから、皮脂の分泌の盛んな品種(キャバリアやシーズーなど)や垂れ耳の品種は通気性が悪くマラセチア菌が増殖しやすいといえます。 この酵母性外耳道炎が悪化すると、そこに細菌が二次感染し、細菌性外耳道炎に移行してしまうことがあります。 ここまでくると、耳道内は腫れて狭くなり、粘膜はただれ、耳を触ると痛がるようになり、強烈な腐敗臭を伴ってもう大変! こうなる前に何らかの処置を施してあげたいものですね。