コラム
2009年4月22日
子犬に混合ワクチンを接種する時のプログラムは、まず生後2ヶ月で1回目の接種、1ヶ月あけて生後3ヶ月で2回目の接種をするのが一般的なやり方です。
生後2ヶ月くらいまでは、母犬からの移行抗体によって子犬は護られているので、よほどのことがない限り(例えばお産の時に初乳が飲めなかったとか・・・)、それ以前に混合ワクチンを接種する必要はありません。逆に言うと、2ヶ月齢以前に混合ワクチンを接種しても母犬の移行抗体によって打ち消されてしまうので、接種する意味がないということになります。また、この移行抗体は生後2ヶ月でパッとなくなるわけではなく、その子によっては2ヶ月半くらいまで持続することもあり、それを確認する ことは現場では出来ません。そういう子の場合は、生後2ヶ月で接種した混合ワクチンも打ち消されてしまっている可能性があります。生後3ヶ月で2回目の接種をするのは、1回目の接種が無効な可能性も考えてのことなのです(もちろん増強効果のためというのもあります)。
では、最初から、生後3ヶ月で1回目の混合ワクチンを接種すればよいのではないかと言われそうですが、それはかなり危険です。免疫が不十分な期間が確実に出来てしまうからです。いくら生後2ヶ月での混合ワクチンが無効になる可能性があるからといっても、その確率はかなり低いようなので、やはり基本的なプログラムにのっとって生後2ヶ月&3ヶ月での接種が推奨されるべきでしょう。