コラム

2009年3月13日

20090313激しい痒みで耳介が赤剥けてしまったワンちゃんが来院しました。

検査の結果、疥癬症であることが判明しました。「疥癬」とは一般的にヒゼンダニによる皮膚の疾患のことをいいます。特徴的な症状はとにかく痒くて痒くてたまらないこと。あまりの痒さに夜も眠れないことがあるほどです。

 

ヒゼンダニは、皮膚の柔らかい部分、肘・かかと・耳の先端などから侵入し、皮膚の角質に入り込んできます。産卵・交尾を繰り返し、皮膚の中でどんどん増えていきます。痒みの主な原因はヒゼンダニの分泌物に対する過敏症。アレルギーが起こってしまうというわけです。ただ、このアレルギーは発症するまでに時間がかかり、遅い場合は3~6週間かかることも。その間に他の犬や人間にうつってしまうことが多いので注意が必要です。確定診断はヒゼンダニを見つけることですが、問題は、角質(皮膚の奥)に入り込んだヒゼンダニを見つけるのが以外と難しいということです。皮膚をしっかり掻爬(削り取ることです)して顕微鏡で確認するのですが、数箇所から材料を採取しなければ見つからないことが多く、見逃してしまう可能性もないとはいえません。

 

疑わしいのに見つからない場合は診察のたびに何度も検査する必要がありそうです。治療は、卵からかえるヒゼンダニもきっちり駆除するために、一定期間かけて行なう必要があります。