コラム
2007年3月27日
嘔吐が続いているというネコが来院しました。普段は元気があり過ぎて細かい検査がなかなか出来ない子なのですが、今回はぐったりしていていつもと明らかに 違う様子。諸検査にて異物による腸閉塞が強く疑われたため、緊急開腹手術を行ないました。空腸(小腸)の閉塞部分から取り出されたものは、何と長さ60セ ンチ以上はあろうかという布ヒモ!しかもこれが結構太いんです。切開部分からズルズル出てきた時には本当にビックリしましたが、よくまあこんなものをネコ が飲み込んだものだと逆に感心してしまうほど。さぞかし飲むのに苦労しただろうなと思わずにはいられませんでした。ヒモ状異物による腸閉塞は時として致命 的な結果をもたらすことがあります(ヒモ自身による腸管の切断など)。
今回は症状発現から処置に至るまでの時間が短かったために腸管のダメージがひどくなかったことが不幸中の幸い。4泊の入院で済みました。