コラム

2006年6月4日

20060604[1]慢性腎不全は高齢猫によく見られる病気の一つで、その発生率は犬よりも多いようです。 猫は元来、水の少ない地域が原産であり、あまり水を飲まなくても大丈夫な性質なのですが、 実はその性質が年齢を重ねる毎に少しずつ腎臓に負担をかけていき、最終的に腎臓疾患に繋がると考えられています。 また、猫の食事は犬に比べて蛋白質の含有量がずっと多く、それらが腎臓に負担をかけることも腎臓疾患になり易い原因の一つと考えられています。 では、腎不全と診断されたらどうしたらよいのか?人間の場合は透析や腎臓移植などを行ないますが、猫ではまだまだそれらは一般的ではありません。 慢性腎不全は、残念ながら完治する病気ではありませんので、治療の中心は、進行を遅らせて快適な状態を少しでも長く保つことになります。 食事療法、吸着剤などの薬剤の投与、静脈輸液や皮下輸液など。 ただし、治らない病気と言っても、病気の程度がそれ程重くなく、しっかりとした治療が施されれば、寿命を延ばすことは十分可能です。 根気よく治療を継続していくことが大事なのは言うまでもありません。