コラム
2006年10月27日
猫の尿(特にオス猫の尿)はとてもにおいが強いですよね。 何故そんなに凄いにおいなのか、今まではよくわからなかったのですが、 岩手大学と理化学研究所の研究チームにより、においの原因が尿に含まれる特別なタンパク質であることがわかりました。 人間や他の哺乳動物は健康時は尿中にタンパク質が出ることはほとんどありませんが、 猫は健康時でも大量のタンパク質を含む尿を排泄します。 研究チームは2003年に、すでにこのタンパク質(コーキシンと命名)が腎臓で作られていることを突き止めていましたが、 今回はこのコーキシンが尿中でフェリニンというアミノ酸を作り出す手助けをしていることを発見。 さらにフェリニンが分解されて出来る硫黄を含む揮発性の物質が、 独特の強いにおいの元となっていることを突き止めました。これはすごい発見ですよね。 コーキシンの合成を阻害する方法がわかれば、もしかすると、近い将来、猫の尿のにおいに悩まされることがなくなる日が来るのかも知れませんね。 因みに、コーキシンとフェリニンは猫の成長とともに増加しますが、メスや去勢したオス猫では少ないのだそうです。