コラム

2008年9月16日

20080913耳と鼻のあたまにかさぶたを伴った赤いボツボツが出来てしまった猫が来院しました。かなり痒そうです。

聞くところによると夏場は毎年このようになってしまうとのこと。生検の結果、「好酸球性プラーク」と診断されました。「好酸球」というのは血液の中の白血球の一種で、主に寄生虫などから体を守る役割を持っており、さらにはアレルギー反応の起きている場所へ急行するという任務も担っています。

 

猫ではこの好酸球が皮膚に集まって特徴的な病変を作ります。そのひとつがこの好酸球性プラークです。

「プラーク」とは脱毛して湿った,平らにやや盛り上がった広い部分で丘のようなもので、つまりかさぶたを伴った赤いボツボツができてしまった丘疹が好酸球性プラークです。通常は副腎皮質ホルモンを投与すると良くなるのですが、アレルギーの原因を取り除かないと再発してしまいます。この猫も何回か再発を繰り返しました。聞くところによるとしょっちゅう屋外へ脱走してしまうとのこと。 夏場に発症することから、蚊によるアレルギーの可能性を考えて(ノミは予防済みなので)、脱走されないようにして室内のみで蚊を遠ざけて管理して貰ったところ、すっかりきれいに治りました。