コラム
2007年1月19日
というのも、「これを実施すれば必ず治癒する」という根本的な治療法が今のところ確定していないからです。もちろん軽症の場合は、歯石を除去したり、ステロイド剤やその他ホルモン剤を投与することにより、良化することもあります。
しかし中等度から重度の症例では、それらの治療で一時的に良くなっても、すぐに再発してしまい、繰り返し治療を続けていかなければならず、猫と飼主さんにとってそのストレスは相当のものと言えそうです。
食欲はあるのに口の中が痛くて食べられないなんて、猫にとっては実に辛い事ですよね。
最近になって、この反応性の口内炎は、歯そのものが異物として反応しているのではないかという考えのもとに、臼歯を抜歯することにより良い結果が得られるようになってきました。
もちろん症状がひどければ臼歯以外も抜歯しますが、いずれにしてもこの抜歯療法は今の段階では根本的な治療法に一番近いものと考えられます。これにステロイド療法やホルモン療法を組み合わせたり、レーザーで潰瘍部分を焼烙したりすることも良いと思われます。写真の猫ちゃんもひどい口内炎に悩まされ続けていましたが、臼歯抜歯とレーザー治療でとても良くなりました。