コラム

2007年2月15日

20070215当院のワンちゃん猫ちゃんの不妊手術をシミュレーションしてみました。

まず術前の身体検査と血液検査(ここで何か異常が見つかれば必要に応じてレントゲン・心電図・エコー検査他に進みます)の後、点滴を開始し、抗生物質と消炎鎮痛剤を投与します。気管挿管のための導入薬(通常ワンちゃんにはプロポフォール、猫ちゃんには塩酸メデトミジン他)を投与し、 維持麻酔にはイソフルランを用います(もちろん酸素も)。

麻酔中は、心電図・血圧・動脈血酸素飽和度・終末呼気炭酸ガス濃度などをモニターします。術野の毛刈りと消毒が済んだら手術開始です。開腹し、卵巣と子宮を特殊な糸(商品名:サージロン)で縛って切除します(卵巣だけを切除する場合もあります)。腹筋・腹膜を吸収糸(商品名:バイクリル)で縫合し、次いで皮下織も吸収糸で縫合します。皮膚は非吸収糸(商品名:エチロン)で縫合し、終了。

 

大体10日後に抜糸します。この間、術創を舐められないように、カラーを装着したり、ドレッシング材を貼ったり、包帯を巻いたり、特殊なネットを着せたりすることもあります。どうしても抜糸が困難な場合(例えば野良猫など)は吸収糸を用いて皮内縫合をしますが、基本的には抜糸時に術後のチェックも兼ねられるので、 当院では皮膚は非吸収糸で縫合するようにしています。