コラム 2009年08月 の記事
8月も残り1週間となりましたが、まだまだ一向に涼しくなる気配はありませんね。動物たちの暑さ対策もまだまだ気を緩めずにしっかりやってあげて下さい。
自宅での空調管理などはもちろんのこと、フードや飲み水がいたんでいないかなど、確認事項はたくさんありますので、是非しっかり管理してあげて下さいね。 意外と失敗しがちなのが、自宅と病院との往復の間の温度管理です。車から降りて移動するわずかの時間でも、キャリーの中は予想以上に暑くなり、場合によっては蒸し風呂状態になることも。この「少しだけだから・・・」というのが結構くせものなんです。
特にフェレットはキャリーの中にハンモックを吊ったものも あり、中に潜り込んでいるとちょっとした熱射病状態になっていることもあります。暑い日中に移動しなければならない時は水を凍らせたペットボトルなどを冷 却用にキャリーに入れておくと良いしょう。いわゆる保冷剤と呼ばれるものの中にはかじると危険なものもあるので、水を凍らせたペットボトルか缶ジュースをそのまま凍らせたものの方が良いでしょう。
ちょっとした気配りが動物の健康をまもります。頑張って夏を乗り切って下さいね。
お尻が汚れているというハムスターが来院しました。見ると確かにお尻の周囲や尻尾が湿って汚れています。俗に言う「ウェットテール」の状態です。
ウェットテールはほとんどの場合、下痢が続いていることを示しています。案の定、便検査で「ジアルジア原虫」(写真)がたくさん検出されました。ジアルジア原虫は 小腸に寄生し、脂肪の吸収を妨げるので、主に脂肪性の下痢を引き起こします。成長期のハムスターでは栄養障害や脱水により、場合によっては生命の危機に陥ることもあるので、しっかりした治療を施さねばなりません。
基本的にはフェンベンダゾールやメトロニダゾール、プロバイオティクスなどの内服薬を用いますが、脱水緩和のための皮下補液が必要な場合もあります。いずれにしてもハムスターの「お尻が汚れている」状態はけっして好ましい状態ではないことを十分ご理解下さいね。