コラム 2009年07月 の記事

2009年7月11日

20090711苦しそうに呼吸をしている猫ちゃんが来院しました。

昨日までは普通だったのに今朝から何だか様子がおかしいとのこと。聴診で肺の音がよく聞こえません。レントゲン検査で、胸腔内に空気が充満していて、肺が縮んでいる様子が観察されました。「気胸」です。

 

肺のどこかが傷ついて空気が胸腔内に漏れ出しているのです。緊急処置として、まずは翼状針を用いて胸腔穿刺を行い空気を除去しました。いったん猫ちゃんは落ち着きましたが、しばらくして再び呼吸困難に陥ったため、今度は胸腔内にチューブを設置して持続的に空気を除去する方法に切り替えました。

もしこの状態が数日続くようなら開胸手術が必要なところでしたが、 幸いこの子は2日目には胸腔内に空気が溜まらなくなり、呼吸も安定していたので3日目にチューブを抜いて退院することになりました。この猫ちゃんはその後再発もなく元気に過ごしています。気胸の原因としては、他の呼吸器の病気(肺炎・気管支炎など)によって起こる場合や猫ちゃん同士のケンカ・外部からの圧迫・交通事故等が挙げられます。何らかの形で肺が傷つくことによって起こるのです。

 

今回はどうやら同居猫と激しく遊んだ後に発症したようです。猫ちゃんを複数飼育している方は注意して下さいね。仲良し同士であってもあまり激しい遊びは控えた方が良さそうですよ。