コラム 2008年07月 の記事
暑い季節がやってきました。夏場の代表的な救急疾患と言えば「熱射病」が挙げられます。日中の炎天下に長時間散歩をさせたり、部屋を閉め切ったまま長時間 留守番をさせたり、車の中に置きっ放しにしたり、このような時は熱射病になりやすいので注意が必要です。
ワンちゃんは人間と違って全身で汗をかくことが出来ません。汗をかく代わりに呼吸数を多くすることによって熱を放散するのですが、体温がもともと人間より高い上に小さい体は簡単に熱くなりやすく、放熱の効率も決していいとは言えません。ワンちゃんは、私たちが想像している以上に熱射病になりやすいのです(もちろん猫ちゃんにもウサギさんにもその他の小動物達にも同じことが言えます)。
ただし、熱射病になってしまった場合でも、早い段階で適切に処置をすることで、重症になるのを防ぐことができます。しかし 高体温の状態のまま長時間経過してしまった場合には、重症となり命を落とすことも稀ではありません。いざと言うときに慌てず適切な応急処置が早い段階で出来るように、ある程度の知識を持っておくことを普段から心がけておいて下さい。もちろん、熱射病は「なってから治療する病気」ではなく「ならないように予 防する病気」であることを十分認識しておかなければなりません。
特定非営利活動法人(NPO法人)「野生動物救護獣医師協会(WRV)神奈川支部」は、小学生以上の児童・生徒を対象に、夏休み期間中、保護された野生動物の手当てなど世話をする体験学習を行ないます。場所は野生動物ボランティアセンター(川崎市中原区下新城2丁目)。WRVによると、怪我をして運ばれてくるのはハトやカラスが多いとのこと(そういえば当院に運ばれてくる野生動物も以前はタヌキが比較的多かったのですが、ここ数年は野鳥が圧倒的に多くなってきています)。交通事故や窓ガラスへの衝突、釣り糸に絡まるなどの人為的な原因がほとんどといい、「世話を通じて命の大切さを知ってほしい」との願いから今回の体験学習が実現しました。
活動時間は午前9時半~午後3時。参加費は無料ですが、小中高校生は100円のテキスト代が必要になります。申し込みはWRV神奈川支部(044-777-8243)へどうぞ。