コラム 2007年05月 の記事
2007年5月30日
雌のウサギが性成熟に達するのは、小型種では4~5ヶ月齢、中型種では4~6ヶ月齢、大型種では5~8ヶ月齢です。
発情期間は4~17日と長く、1ヶ月に 数回の許容期がありますが、休止期はその間わずか1日くらいしかありません。交尾により排卵し(逆に言うと交尾がなければいつまでも排卵はおこりませ ん)、約1ヶ月の妊娠期間を経て出産となりますが、妊娠・出産を繰り返す野生のウサギとは異なり、コンパニオンアニマルとして家庭で飼われているウサギ は、交尾・妊娠することがなければ1年中発情状態が続くことになります。ウサギの性的ストレスの大きさは私たちの想像以上だと言えるでしょう。
その結果、 攻撃性・尿スプレー・マウンティングなどの好ましくない行動もしばしば見られるようになります。また、正式な統計ではありませんが、中年齢以降のウサギに は子宮腺癌・子宮内膜過形成などの雌性生殖器疾患が高率に発生するというデータが随所で見られます。これらのことから、お産の予定のない雌のウサギを飼う 場合は避妊手術(卵巣子宮全摘出手術)を強くおすすめします。
子宮疾患の予防にもなりますし、性的ストレスから解放されたウサギは性格も穏やかになって飼 いやすくなるなど、メリットはとても大きいはずです。