コラム
2009年4月8日
事前に聴診などを主体とした身体一般検査を行なうほか、血液検査や心臓・肺の状態を見るためのレントゲン検査を行なう場合もありますが、それらが正常だからといって全く安心とは言えません。
犬や猫のように気管チューブを挿管して呼吸をコントロールすることがほとんど出来ず、手術中の麻酔維持はマスクをかがせて行なわねばなりません。さらに、犬猫なら、心電図・呼吸ガス・酸素分圧・血圧・体温などのモニター管理が可能ですが、モルモットの場合は心電図や体温くらいしかモニターが出来ないので、呼吸状態をしっかり目視していなければなりません。呼吸が停止してしまうよ うな深い麻酔は絶対にいけません。呼吸状態を目視するために、手術用のドレープを透明のビニール素材のものにするなど、いろいろ工夫が必要です。本当に神経を使います。
ですから、無事に手術が終了したときの安堵感や達成感は特別なものがあります。写真のモルモットは大きな乳腺腫瘍を切除しました。元気に退院してくれて本当に良かったです。