診療時間のご案内


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午後 16:00~19:00
日曜・祝日は休診となります。
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詳しくはこちら猫さん(1歳)の嘔吐物の中に
こんなものが混ざっていました。
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うわ~ たくさん出ましたねぇ。
ビックリ!
回虫ですね、これは。
あっ、左端のライターは大きさを比べるために置いたものですからね。
こんなものまで吐き出したらそれこそ大変です (^_^;)
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ということで
ここでもう一度
子猫の体内で回虫が感染していく様子をおさらいしてみましょう。
まず
回虫卵が子猫の体内に入り 腸で孵化します。
幼虫となった回虫は成長を続けながら
腸→肝臓→心臓→肺→気管・咽頭→食道→胃→
のような経路を通り最終寄生場所の小腸に達します。
途中、食道から胃へ移行するあたりで吐き出されることもあるので
そうすると今回のように
嘔吐物の中に混ざって出てきてビックリ! となるわけです。
小腸まで達した回虫は
写真のような虫卵をどんどん産卵し
次なる感染を引き起こしていく、となるわけです。
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因みに
抵抗力がしっかりしているおとなの猫が回虫卵を口にした場合は
腸→肝臓→心臓→肺→ までは子猫と同じ経路をたどりますが
気管へは行かず、子虫のまま血流にのり全身をめぐり
最終的に全身の臓器内・筋肉内で休眠状態「被嚢幼虫」となります。
子猫の感染においても一部はこのような被嚢幼虫に変化するようです。
メス猫の場合は
妊娠すると
眠っていた被嚢幼虫が動き出し乳腺に移行します。
そして母乳を介して新生仔へ感染していくのです
(猫回虫は犬回虫と違って胎盤感染はなく乳汁感染のみ)。
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因みに因みに
人に感染した場合ですが
人は本来の宿主ではないために
猫回虫にとってはとても住みにくい体。
ゆえに猫回虫自身もおとなになりきることが出来ず
あらゆる組織に幼虫が迷入し動き回る「幼虫移行症」を引き起こします。
犬回虫よりは被害は軽い?(眼や脳への侵入性は低い)と言われていますが
いずれにしても感染してしまったら大変です。
猫さんたちの駆虫はしっかりやりましょうね。
嘔吐が止まらないという猫さんが来院。
もしかしたら
数日前にビニールひもを飲んでしまったかもしれない、とのこと。
レントゲン検査では・・・・・・
★右側を下にして撮影した画像(矢印の部分に注目)
小腸の様子がちょっと変ですねぇ(矢印)。
拡大してみると・・・・・
?★黄色の線で強調してあります
まるで
アコーデオンのひだ状に縮れている様子が見てとれます。
仰向けの画像でも・・・・・
★仰向けで撮影した画像(矢印の部分に注目)
やはり小腸の様子が変です(矢印)。
拡大してみると・・・・・
?★黄色の線で強調してあります
やはり
アコーデオンのひだ状に縮れている様子。
これはもう間違いありません。
ヒモ状異物による腸閉塞の状態です。
ということで 緊急開腹手術!
十二指腸、空腸、回腸
ほぼ小腸全域にわたって見事な蛇腹状態!
異変があまりにも広範囲だったため
小腸の4ヶ所に切開を入れて
分断したビニールひもを取り出して手術終了。
全長60cm以上もあるビニールひもによる腸閉塞でした。
腸管がそれほどダメージを受けていなかったので
切開&取り出しで済みましたが
もし腸管が壊死していたら 命に係わる怖~い状態でした。
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当の猫さんはといえば
私たちの心配をよそにすっかり元通り。
本日めでたく退院となりました \(^o^)/
それにしても
何を好き好んでこんなヒモを飲んじゃうんでしょうかねぇ。