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愛犬が年老いていよいよ介護が必要になった時、あなたはすべてをささげて介護に臨もうとしていませんか。
もちろんその気持ちは大切ですし、そうしてあげたい気持ちは痛いほどよくわかります。自分もそうでしたから。
でも、ちょっと待ってください。老犬介護は決して楽なことではありませんし、長く長く続く場合もあります。完璧な介護を目指して息切れしてしまっては元も子もありません。
ここでは老犬介護を始めるにあたって、ぜひ心にとめておいて欲しいことをお話したいと思います。
1.サインを見逃さないこと
健康で元気な愛犬と過ごす毎日はとても楽しいものですが、それはいつまでも変わらずに続いていくものではありません。犬は私たちが思っている以上に成長するスピードが早いことをしっかり認識しないといけません。
成長が早いということは、当然ながら老化のスピードも早い、ということです。
ものを言わない愛犬のちょっとした変化を見逃したばかりに、その後の生活が全然違ったものになってしまった、なんてことはよくある話です。
例えば、好きだったおもちゃに関心を示さなくなった、寝ていることが多くなった、散歩の距離が短くなった、名前を呼んでも時々気づかないことがある、などは老化のひとつのサインですが、意識して観察していないと意外とずっと後になるまで異常とは思わないことが少なくありません。
もしかしたら、おもちゃに関心を示さなくなったのは目が悪くなってきたからかもしれません。寝ていることが多くなったのは内蔵に問題があって疲れやすいのかもしれませんし、ホルモンの問題かもしれませんし、認知症の始まりかもしれません。
散歩の距離が短くなったのは骨・関節・筋・靭帯の問題かもしれませんし、心臓・肺の問題かもしれません。名前を呼んでも時々気づかなくなったのは耳が悪いのかもしれません。
こういったひとつひとつにいち早く対処することで良い老後が送れるか否か、変わってくる可能性もあるのです。
主治医の先生とよく相談し、中年期を過ぎたら(7歳あたりを目途に)定期的なチェックをお願いしましょう。
もちろん、家庭でのこまめなチェックが大事なのは言うまでもありません。
愛犬が歳をとっていよいよ介護が必要になってきた時、あなたはどう考えるでしょうか。
できることなら何でもしてあげたい。 この子に残された時間はもう多くはないのだから、自分のことは後回しでいい。
きっとこのように考えて介護に臨もうとするのではないでしょうか。
その気持ちは痛いほどよくわかりますし、自分もそう決意したものでした。
犬を飼うなら、最後まできちんと世話をすることは当然の義務ですし、それを放棄してしまうような人には犬と暮らす資格はない、と言っても過言ではないでしょう。
ただ、そのことが介護をする人の大きな足かせになっているのも事実です。
以前に比べて犬の寿命は飛躍的にのびました。 寿命が延びれば介護に必要な労力は大幅に増加します。そして一生懸命介護をしようとする人は大なり小なり皆まじめで完璧主義。
すべてをきっちりやってあげないと気が済まない、そういう方がほとんどです。
そうして「完璧な介護」を目指して、だんだん息切れしてしまうのです。
頑張り過ぎないでください。大切なのは継続なのです。
誠実で、真面目。愛犬に対して深い愛情があり、周囲の人への気配りも欠かさない。
介護に悩む方は総じてこういうタイプの方ばかりですよね。
全部ひとりで抱え込んで、知らず知らずのうちに心身的なストレスをためこんでしまうのです。
自分がやらなければ誰がやるの?そんなふうに自分を追い詰めてはいけません。あなたはあなたが出来る時にしっかり介護してあげればよいのです。
ちょっと無理かも、そう思った時は誰かを頼ることにしましょう。誰かを頼ることはけっして恥ずかしことでもうしろめたいことでもありません。
ご家族、知り合い、シッターさん、ヘルパーさん、動物病院、老犬ホームなど、頼れるところはたくさんあります。思い切って、数日だけでも介護疲れから開放する日を作って気分転換するようにしましょう。
一人だけではうまくいかないことも、複数の人で対処すれば何とかなるはずです。
老犬介護は行けるところまで全力でがむしゃらに行くというものではなく、ペース配分を考えて長丁場をどう乗り切るか、そういう作戦をたててゆっくりすすめていくものなのです。
老犬介護は、病気の治療のようにゴールが見えているわけではなく、いつまで続くかわからない不安と焦燥でいつのまにか気持ちが落ち込んでくるのは仕方のないことです。
でも、いつまでも暗く沈んだ気持ちでいると、介護を受ける愛犬の気持も暗く沈んでしまいます。
もし、飼い主がずっと落ち込んでいたり、機嫌が悪かったりしたら、愛犬は不安で不安でたまりません。甘えることもしなくなり、気力が減退し、一気に老化がすすんでしまいかねません。
ワンちゃんは飼い主のことが大好きです。大好きな飼い主が明るく楽しく接してくれることが一番の喜びです。
愛犬の前ではなるべく明るく楽しくふるまうようにしましょう。それだけで、愛犬は幸せを感じてくれるはずです。
老犬介護を考える時、真面目な人ほど、この子にはああしてあげよう、こうしてあげよう、とあらゆる限りの理想を頭の中で描いてみようとします。
ところが、いざ介護を始めてみると、自分の思い描いていた理想通りにはいかず、そのギャップに悩むことになるのです。
そして、ああしてあげなければ、こうしてあげなければ、と自分をどんどん追い込んでしまい、ついには、あれができなかった、これができなかった、と自分を責めるようになってしまうのです。
完璧な介護を追い求めても、それはあくまでひとりよがりでしかないことに早く気づきましょう。
介護をする目的はあなたと愛犬がお互いに幸せな日々を過ごすためではありませんか?
それなのにいつの間にか「完璧な介護をすること」が目的になっていたりしませんか?
完璧な介護をすれば愛犬が喜ぶはず、そう考えていたらそれは自己満足だと思われても仕方がありません。
時々は一歩下がって自分がやっていることを客観的に評価してみることも大切です。第三者に評価してもらう勇気があってもいいかもしれません。
完璧な介護を目指していると、ついつい視野が狭くなって他人の意見が耳に入らなくなります。最初から全力を尽して頑張って息切れ。これは絶対に避けなければなりません。大事なのは完璧を求めるよりも継続なのですから。
老犬介護はこうあるべき、という決まりはありません。
幸せの形は飼い主さんもワンちゃんも皆それぞれ違います。本に書かれていることやネット上の情報がすべてではありません。10人いれば10通りの介護スタイルがあってしかるべきです。
大事なのは無理なく継続できる方法を柔軟に考えていく、ということです。
老犬介護は決して楽なものではありませんが、考え方をちょっと変えたり、いろいろ工夫したりすることでうまく継続していけます。
頑張り過ぎないこと、一人でやらないこと、明るく楽しくやること、完璧思考を捨てること、介護スタイルを決めないこと。これらは老犬介護をするうえで大切な心得です。
老化のサインを見逃さないように早め早めの治療を行い、体の衰えを極力少なくしておくことは、その後の介護をやりやすいものにしてくれるでしょう。
動物の寿命は昔と比べると随分と伸びてきました。
飼育管理方法や飼育環境が良くなったのはもちろんのこと
獣医療の進歩も長寿に貢献しているものと思われます。
しかしながら
長寿になるにともない
それまではあまり見られなかったような問題が起こるようになってきました。
そのひとつが「認知症」です。
歳をとると目が見えにくくなったり
耳が聞こえにくくなったりすることはありますが
それは老化による自然現象ですから
そのこと自体はあまり気に病む必要はありません。
問題なのは
感情表現がなくなってしまったり
今まで出来ていたことが出来なくなったり
とんちんかんな行動をとったり
明らかに脳の障害によると思われる症状が見られるようになること。
「認知症」に当てはまる症状を列挙してみますと・・・
・無目的に前へ前へと歩き続ける(いわゆる徘徊)
・吠え続ける(ヨシヨシしてもやまない、夜中も関係なし)
・異常な食欲
・昼夜逆転
・飼主を認識出来ない、理解力の低下
・いろいろなことへの関心低下
・目に余る排泄の失敗
まだまだこれ以外にもありますが
おおむね共通して上記のような症状のうち
いくつかが継続して見られた場合は認知症の疑いが強いとみるべきでしょう。
犬の認知症の原因はまだまだハッキリとはわかっていませんが
人におけるアルツハイマー型認知症と同じような
脳の実質的な変化が見られることが分かっています(人の認知症は
アルツハイマー型認知症の他に、レヴィ小体型認知症、
ピック病(前頭側頭型認知症)など、いろいろなタイプのものがあります)。
アルツハイマー型認知症を引き起こす原因は
脳内における過剰な酸化だと言われています。
酸化の副産物として発生した異常タンパクであるアミロイドが脳内に蓄積し
本症を発症するというのがそのメカニズムです。
また
特定の犬種に認知症が多くみられることから
遺伝的な素因についても考慮する必要があるのかもしれません。
ここで言う特定の犬種とは
柴犬や柴犬の雑種など主に日本犬のことを指しています。
日本犬は認知症になりやすい!?
なんかイヤな話ですよね。
でも、事実は事実として受け止めないといけません。
日本犬に認知症が多くみられる理由を
遺伝的な素因以外で考えてみると
かつてのごはん、人間の余りもの(煮干しなど魚類が多かった)を
食べて生きていた時代からドッグフードに切り替わったこと
いわゆる栄養の問題も原因を考える上で重要かもしれません。
昔の日本の犬たちは魚類に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸を
当たり前のようにきちんと摂取していたわけです。
それがドッグフード(主原料は肉類)に替わり始めたあたりから
肉主体の食事になり
それにともない認知症もみられるようになってきたのは興味深いことです。
つまり
EPAやDHAなどの不飽和脂肪酸の摂取不足が認知症の原因かも!?
う~ん
確かに
以前のドッグフードは
EPAやDHAが入っていないものが多かったですからねぇ。
最近のドッグフードはほぼすべてにこれらが添加されています。
では、それで認知症になる犬が減ったのか、というと
実はそんなことはないんですね。
ということは
不飽和脂肪酸以外の問題も複雑に絡んでいるということになるわけで。。。 ( ̄へ ̄|||) ウーム
あ、もちろんEPAやDHAをきちんと摂取することはとても大事ですよ。
不足すれば認知症になるリスクは上がっちゃいますから。
認知症は残念ながら治癒できる病気ではありませんが
栄養や薬やサプリメントでQOLを上げながら
進行を遅らせてあげることは十分可能だと思われます。
犬の認知症が人のアルツハイマー型認知症と同じような感じだというところに
治療のヒントがありそうです。
つまり、脳内における過剰な酸化をいかに防ぐか、ということですね。
ま、言うのは簡単ですが (^_^;)
当院では
身体に優しい漢方やホモトキシコロジーの薬
フェルガードなどのサプリメントを用いて良い結果が出ております。
・・・・・・・・・・
犬の認知症の治療は
こうすればイイという決まったものはなく
まだまだ手探り状態だというのが本当のところです。
当然ながら
飼育環境を含めたその子その子に合わせた処方が必要です。
もちろんストレスは大敵ですから
そのあたりは十分な配慮が必要でしょうし環境整備は欠かせません。
何より大事なのは
家族全員共通理解のもとで介護や治療をする、ということでしょうか。
自分の犬が認知症かも知れない、少しでもそう感じたなら
早い段階で主治医に相談されるべきでしょう。
症状がひどくなってからでは介護も治療も困難ですし
犬もご家族も双方が疲れ切ってしまうのはとても不幸なことですから。
犬フィラリア症の予防期間は
一般的には
★蚊が出始めた時がスタート日
★蚊が見られなくなってから1ヶ月後が終了日
となっていますが
これはこれでかなり曖昧な表現ですよね。
そこで 昨今では
HDU(Heartworm Development heat Unit)という概念に基づいて
感染期間を数値化することが試みられています。
HDUとは、
犬フィラリアを媒介する蚊の体内で
フィラリア幼虫(ミクロフィラリア)が成熟するために必要な積算温度の単位です。
このHDUを算出することによって
犬フィラリア症の感染期間を推定することができるのです。
計算式は下記のようになります。
1日HDU = 日平均気温 - 臨界温度(14℃)
日平均気温 = (日最高気温 + 日最低気温)÷ 2
例えば、ある日の最高気温が21℃、最低気温が13℃であったとします。
この日の1日HDUは (21+13)÷2-14=3
次の日は5、その次の日は4であったとします(1日HDUがマイナスとなる場合は0とします)。
これらを加算していきます。
3+5+4+・・・・・・・
この積算が130となる日が感染開始日になります。
感染終了日は30日間でHDUの積算が130となる最終の日とされています。
この計算によると
神奈川県における過去15年間の中で
★一番早い推定感染開始日は 5月6日
★一番遅い推定感染終了日は 11月11日
ということになり
そこから導き出される推奨される犬フィラリア症の予防期間は
5月初旬~12月初旬 ということになります。
11月末ともなると寒さも増してきて
感覚的には「蚊」のイメージはなくなりがちですが
実はそこには大きな危険をはらんでいることをお忘れなく。
しっかり計画的にフィラリア予防をおこない、健康な毎日を過ごしましょう。
★もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
>>> 全国 犬のフィラリア感染期間の目安 DSファーマアニマルヘルス