コラム - その他 -
米アイオワ州で新型の豚インフルエンザ(H1N1型)に感染した飼い猫が見つかったそうです。
4日にアメリカ獣医学協会から発表がありました。このウイル スは、これまでに豚・鳥・フェレットから検出されていますが、猫から検出されたのは世界初とのこと。この猫は13歳。3人家族の飼主のうち2人が新型インフルエンザにかかっていて、どうもその人たちから感染したのではないかと考えられています。元気も食欲もなくなって、一時呼吸困難な状態に陥ったようですが、アイオワ州立大学獣医学部で治療を受け、すでに回復したとのことです。もちろん飼主の方々も回復されています。それにしてもインフルエンザウイルスは怖いですね。
そのうち「犬にも感染が見つかる」なんてこともあるのでしょうか
近年さまざまな研究により、針灸による治療の効果が証明されてきています。動物では特に椎間板ヘルニアや関節炎、骨折や捻挫の後遺症などの筋・骨格系疾患や神経疾患による麻痺や疼痛の治療に針灸治療が取り入れられています。
針灸だけでなく、同じ目的でレーザーを用いたツボを刺激する治療も行なわれています。また、レーザー光には炎症を抑える力と痛みを取り除く力、血行を良くする力、傷口を早く治す力があることが実証されていますから、患部に直接照射することで疼痛緩和を促し、口内炎、外耳道炎、火傷、潰瘍その他の皮膚の創傷治療にも効果が期待できます。 何より動物に苦痛を与えない治療が出来るという点が優れています。
ただし、レーザー光はあらゆる疾患を改善する魔法の光というわけではありませんから、適応症か否かをしっかり判断する必要はあります。やみくもにレーザー光を照射しても良い結果に結びつかない場合もあるからです。レーザー治療に関するお問い合わせは当院受付までお寄せ下さい。
血腫は、動物の耳介に血液を主成分とする液体が貯留し腫脹する疾患です。
放っておくと、数週間から数ヵ月後には血腫部分の耳介軟骨が瘢痕収縮してしまい、 耳介は変な形に縮んでしまいます。耳介の外観を保つためにはきちんとした治療を施さねばなりません。一般的な治療方法としては、
①穿刺排液と薬剤の注入 (グルココルチコイド、インターフェロン他)を治癒するまで数回繰り返す方法
②外科的切開による方法(様々な手法があります)などがあげられます。
当院ではまず①の方法から始め(実際これで治癒するケースが多いです)、うまくいかない場合は②の外科手術へと移行していきます。外科手術は切開のやり方が幾通りもあります。メスで縦切開を加える方法や炭酸ガスレーザーで小孔を開けていく方法、皮膚生検用パンチを用いて丸く穴を開けていく方法(写真)など。いずれの方法でも最後は液体の溜まるスペースを与えないように縫合します。状況によってこれにドレインチューブを留置することもありますが、あとは包帯とバンテージでしっかり固定をし、10~20日かけて少しずつ抜糸していきます。
耳血腫は簡単に考えられがちですが、以外と治りにくいものです。耳が腫れていたらなるべく早く診察を受けるようにして下さい。
尿中に血液が混ざった状態を血尿といいます。血尿があるということは、膀胱・尿道もしくは腎臓・尿管のどこかに出血をともなう病因が潜んでいることになります(雄なら前立腺の病気も考慮しなければなりません)。
例えば、尿路の外傷によるもの、尿路結石などの異物によるもの、尿路の腫瘍によるもの、免疫学的な原因によるもの、感染症によるもの、全身的な出血傾向によるもの、薬物性のもの、その他、などが考えられます。血尿には、目で見てすぐわかるものから遠心分離して顕微鏡で見なければわからないものまで様々なレベルがあります。あるいは、目でみて赤い色に見えても血尿ではなく別の赤い色、例えば血色素尿などの場合もあります(これはこれでまた問題なのですが)。
いずれにしても赤い色の尿が出たらすぐに診察を受けるべきでしょう。また、見た目が普通の尿であっても検査で血尿が見つかることもありますので、定期的に尿検査を受けることをおすすめします。
腫瘍マーカーとは、ガンの進行とともに増加する生体因子のことで、主に血液中に遊離してくる因子を抗体を使用して検出する臨床検査のうちのひとつです。
人間の医療においては多種多様の腫瘍マーカーがあり、ガンの早期発見や治療後の経過確認などに幅広く使用されています。
しかしながら獣医療においては有用な腫瘍マーカーが無く、ガン医療に関しては残念ながら人医療に大きく遅れをとっているのが現状です。何とか有用な腫瘍マーカーの検査が確立されないものかと願っていたところ、(株)日本ペットライフから画期的な腫瘍検査の方法が発表されました。
腫瘍細胞が悪性転化する時に、腫瘍マーカーとしてアミノ酸類(フェニルアラニン・チロジン・水酸基のプロリン)、糖鎖を構成する単糖類(N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルノイラミン酸、N-グリコリルノイラミン酸)、糖蛋白質(α1-酸性糖蛋白質) などがごくわずかですが増加します。
これら複数の微量増加する腫瘍マーカーのトータル量を換算して悪性腫瘍の発症確認を行なうというものです(TSGF法)。発症部位の特定は行なえませんが、悪性腫瘍の早期発見検査として、更に良性・悪性の判別補助および転移・再発の診断補助として有効な検査と思われます。
少量の血液を採取するだけでOKです。詳しくは当院スタッフにおたずね下さい。