コラム - 鳥のおはなし -
セキセイインコの骨折は珍しくはありません。手乗りでケージ外で生活する時間が長いほど事故に遭う確率は高くなります。
よくあるのが、透明なガラス窓にぶつかって落下した時に着地を失敗するケース。鳥を遊ばせる時はレースのカーテンなどをひいておくのがよいでしょう。また、肥満の子は普通に飛んで着地しただけでも骨折することがあるので体重管理には十分気をつけるようにして下さいね。基本的な治療はギプス固定です。鳥の場合は犬や猫と違って重いギプスはダメなので、綿花を使った特殊なギプスで固定します。うすく千切った綿花を少しずつ接着剤で重ねていきます。大体2週間くらいで治癒しますが、それまでの間は自ら外してしまわないようにカラーを装着しなければならないケースがほとんどです。骨折の痛み(副作用のないレメディーを用いてコントロールします)よ り、カラーのストレスに対してどう慣れてもらうかの方が問題かもしれません。大抵は1~2日で慣れてくれるのですが。。。
沸騰している鍋の中に落下してしまったというセキセイインコが来院しました。
鳥がヤケドを起こしやすいのは羽毛に覆われていない脚の部分です。体躯は羽毛に覆われているため、熱湯が皮膚まで深く浸み込むことがなければ意外とヤケドになることは少ないです。ですから、熱湯の中に落ちたからといって、体全体を 水で冷やしたりせずにまずは脚のみをしっかり冷やすことが先決です。体全体を冷やすことはかえって体温を奪ってしまうおそれがありますので。ただし、もし熱湯が羽毛の深部にまで達している場合はそんなことは言っていられませんし、急いで動物病院へ連れて行く必要がありますが、脚以外に広範囲にヤケドを負ってしまった場合は残念ながら助からないこともあります。部屋でフリーに遊ばせる時はこのような事故が起きないよう、十分注意して下さい。
写真の子は幸いにもカカト部分のヤケドだけで済みました。
最後の日本産トキ(名前はキン)が亡くなったのは2003年10月10日の朝でした。この時点で日本産トキは残念ながら絶滅してしまいました。現在は、佐 渡トキ保護センターで中国から譲渡されたトキの人工繁殖が順調におこなわれており、年に約20羽のヒナが健康に育っています。2004年には自然繁殖にも 成功しました。今年3月の時点で飼育数は96羽にまで増加し、いよいよ国の特別天然記念物でもあるトキを野生に戻せる可能性が出てきたのです。そんな折、 7月10日から野性復帰のための訓練が佐渡トキ保護センター「野生復帰ステーション」で始まったという嬉しいニュースが入ってきました。
環境省によると、来年秋には何とか佐渡島での自然放鳥を実現させたいとのこと。国内の自然界から姿を消して久しいトキが、近い将来再び見られることになりそうです。
130年以上も前に絶滅したと考えられていた鳥がタイのバンコク郊外で発見されました。この鳥はヨシキリの一種(Large-Billed Reed Warbler)で、湿地帯に生息します。バンコクのマヒドン大学の鳥類学者フィリップ・ラウンドさんが、タイ湾沿岸の下水処理施設周辺の草原で偶然発見 したそうです。この鳥は雄の個体で、体重9.5g、体長14cm。大体スズメくらいの大きさで、生後1年くらいとみられています。他のヨシキリと異なり、 長いくちばしと短い羽が特徴的です。スウェーデンのルンド大学でDNA鑑定した結果、1867年にインド北西部で発見されて以来見つかることのなかった 「幻の鳥」と同種であることが確認されました。絶滅したと思われていた動物が実はちゃんと生息していたなんて、びっくりですがちょっと嬉しいニュースですよね。
もしかしたら、100年ぶりに日本オオカミ発見!なんてことも夢ではないのかもしれませんね。
先日、平塚市内の住宅街で変わった色のカラスが発見されました。 カラスは全身真っ黒なのが普通ですが、何とそのカラスは全身が淡い茶色なのだそうです。 同市西真土在住の自営業祝秀夫さん(57)が、同市唐ヶ原の金目川河口付近でこのカラスを発見してから1週間ほど通い詰め、 何とか写真撮影に成功しました。同市の博物館の館長浜口哲一氏によると、このカラスはくちばしが細いのでハシボソガラスという種類。 白く変わったり(白変)、淡く色あせる(バフ変)という現象はまれにみられるそうですが、突然変異のメカニズムについてはよくわかっていません。 「羽の一部の色が変わることもあるが、全身が変わるケースはかなり珍しい。バフ化したカラスは生活力が乏しく、 巣立ちまで育つ例はめったに見ない」と浜口館長は話しています。 この茶色のハシボソガラス君、頑張って長生きして欲しい気もしますが、街のゴミも荒らさないで欲しいし・・・。はてさてどうなることやら。