院長のひとりごと

2013年10月30日

吐いている動物のレントゲン検査

人間の病院で

 

「なんだか吐き気する」とか「嘔吐があって・・・」という患者さんが来ても

 

すぐにレントゲンを撮ったりはしないですよね。

 

それは患者さん自身が症状をある程度伝えることが出来るのと

 

まず

 

人間は変なもの(異物)を食べたりすることが考えにくいからなんですね。

 

でも動物病院では

 

嘔吐している動物が来た時は

 

ほとんどのケースでレントゲン検査は必要になってきます。

 

まずは異物がないかどうか。

 

異物といっても

 

石や金属のようにレントゲンに写るものばかりではありません。

 

ビニールや布きれだってあるわけですから

 

それを見逃してしまったら大変です。

 

こういったことが考えられる場合は

 

造影剤を使った検査も必要になってくるでしょう。

 

通常、レントゲン検査というのは

 

右側を下にした横臥状態で1回

 

背中を下にした仰向け状態で1回

 

の2方向の撮影をしますが

 

より正確な診断をするためには

 

左側を下にした横臥状態とお腹を下にしたうつ伏せ状態を合わせた

 

計4方向の撮影が必要になってきます。

 

場合によっては

 

これら4方向に斜め方向を追加したりすることもあります。

 

何故ここまで詳しい検査をすべきなのか?

 

それは

 

緊急に開腹手術をしなければいけない状態なのか否かを

 

確実に鑑別しなければならないからです。

 

動物が吐くことは珍しくはありません。

 

でも

 

その吐き方がいつもと違うから病院に来るのであって

 

何も検査しないで「様子を見ましょう。」などとは

 

軽々しく言うべきではないでしょう。

 

私もまだ経験が浅かった勤務医時代

 

「吐いてるんだけど、食欲もあって元気もあるから大丈夫ですよね?」

 

という子が

 

診察が終わるギリギリの時間に来た時など

 

早く仕事を終えたくてついつい検査を端折って

 

「吐き気止めの注射を打って様子を見ましょう。」

 

と言ってしまったことがありました。

 

そして

 

その夜に容態が急変し

 

レントゲン検査で異物による閉塞が見つかり緊急開腹手術に!

 

その子は完治してくれたから良かったものの

 

余計な心配をさせてしまったオーナーさんにゴメンナサイ。

 

迷惑をかけてしまった院長にもゴメンナサイ。

 

メチャメチャ反省しました、ホント (>_<)

 

とにかく

 

嘔吐がみられる動物が来た時は

 

緊急性があるのか否か

 

これを確認するためにはレントゲン検査は必須です。

 

最近は

 

超音波検査も含めた胃腸の検査で

 

緊急性のある疾患を見逃すことはほとんどなくなりました (^_^)v

 

 

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