コラム

2009年2月10日

20090210ウサギの採血に用いる血管は

①耳介の静脈②耳介の動脈③橈側皮静脈④サフェナ静脈⑤頚静脈などが一般的です。通常は耳介の静脈が選ばれるケースが多いようです。

 

その理由としては、血管が見やすいことと、診察台の上でウサギを自然な形で保定しやすいことなどが挙げられます。ただ、検査に必要な十分な量を採血するのが難しいことや、止血をしっかりやっておかないと内出血の跡が目立つこと、止血のためにしばらく耳をおさえられるのを嫌うウサギがいるなど、利点ばかりではありません。

当院では数年前から④のサフェナ静脈(下腿部の外側にある血管)からの採血を行なうようにしています。この方法は保定者の技術が大切になってきますが、コツを覚えてしまえばそんなに難しいものではありません。何より検査に必要な十分な量が簡単に採取出来ることが利点です。

 

慣れてしまえば時間をかけずにさっと採血を終えることが出来るので、ウサギにかかるストレスも最小限で済みます。

2009年1月21日

20090121血腫は、動物の耳介に血液を主成分とする液体が貯留し腫脹する疾患です。

放っておくと、数週間から数ヵ月後には血腫部分の耳介軟骨が瘢痕収縮してしまい、 耳介は変な形に縮んでしまいます。耳介の外観を保つためにはきちんとした治療を施さねばなりません。一般的な治療方法としては、

①穿刺排液と薬剤の注入 (グルココルチコイド、インターフェロン他)を治癒するまで数回繰り返す方法

②外科的切開による方法(様々な手法があります)などがあげられます。

 

当院ではまず①の方法から始め(実際これで治癒するケースが多いです)、うまくいかない場合は②の外科手術へと移行していきます。外科手術は切開のやり方が幾通りもあります。メスで縦切開を加える方法や炭酸ガスレーザーで小孔を開けていく方法、皮膚生検用パンチを用いて丸く穴を開けていく方法(写真)など。いずれの方法でも最後は液体の溜まるスペースを与えないように縫合します。状況によってこれにドレインチューブを留置することもありますが、あとは包帯とバンテージでしっかり固定をし、10~20日かけて少しずつ抜糸していきます。

耳血腫は簡単に考えられがちですが、以外と治りにくいものです。耳が腫れていたらなるべく早く診察を受けるようにして下さい。

2008年12月29日

20081229尿中に血液が混ざった状態を血尿といいます。血尿があるということは、膀胱・尿道もしくは腎臓・尿管のどこかに出血をともなう病因が潜んでいることになります(雄なら前立腺の病気も考慮しなければなりません)。

 

例えば、尿路の外傷によるもの、尿路結石などの異物によるもの、尿路の腫瘍によるもの、免疫学的な原因によるもの、感染症によるもの、全身的な出血傾向によるもの、薬物性のもの、その他、などが考えられます。血尿には、目で見てすぐわかるものから遠心分離して顕微鏡で見なければわからないものまで様々なレベルがあります。あるいは、目でみて赤い色に見えても血尿ではなく別の赤い色、例えば血色素尿などの場合もあります(これはこれでまた問題なのですが)。

 

いずれにしても赤い色の尿が出たらすぐに診察を受けるべきでしょう。また、見た目が普通の尿であっても検査で血尿が見つかることもありますので、定期的に尿検査を受けることをおすすめします。

2008年12月3日

20081203頻回尿および血尿を呈しているモルモットが来院しました。

レントゲン検査で膀胱内に小さな結石(直径3mmくらい)が確認されました。モルモットの尿結石はカルシウムを主成分とするものがほとんどで、内科的に溶解させることは基本的に無効です。この子も外科的に摘出することになりました(写真の黄色い矢印の先に摘出中の結石が見えます)。

たった3mmくらいの大きさとはいえ、この子にとっては結石の存在は大問題です。摘出した結石は予想通り「炭酸カルシウム」。

今後は高繊維・低カロリーのペレット(もちろんモルモット用のものですよ)あるいはイネ科の乾燥牧草などの低カルシウム食を中心に給餌していく必要があります。

ビタミンCをしっかり補給することが予防につながるとも言われています。

2008年11月18日

20081118上まぶたが腫れているハムスターが来院しました。

白いニキビのようなできものがみられます。これは、まぶたの内側にあるマイボーム腺という脂の分泌腺の開口部が炎症を起こしたり詰まったりした結果、分泌されなくなったものが貯留して腫れてしまっている状態です。症状がもっと軽いうちは抗生物質の点眼液で様子を見ることもありますが、ここまで大きく腫れてしまうと麻酔下での切開・搾り出し処置が必要になります。

 

注射針の先端で小さく切開し、鉗子かピンセットの先で搾り出してあげればOKです。