コラム

2007年3月19日

20070319変な形の便が出るようになったという11歳のゴールデンレトリーバーが来院しました。縦にペチャンコになって出てくるとのこと。

バリウム注腸造影により左 会陰部から骨盤腔にかけて大きな塊が存在し、それが直腸を圧迫しているのがわかりました。細胞診(注射針を刺して細胞を吸引し、染色して顕微鏡で観察)の 結果、大きな脂肪の塊であることが判明。手術で取り出したものは「脂肪腫」という良性の腫瘍でした。

 

脂肪腫は皮下の脂肪が無制限に増殖して大きなやわらか い塊を作るもので、8歳以上の高齢犬に比較的多くみられます。通常、切除してしまえば完治するのですが、絶対に切除しなければならないものというわけでも なく、生活に支障がない部位に出来た脂肪腫はそのまま放置することもあります(ただし今回の症例は放置しておいたら大変ですが・・・)。同じ脂肪腫でも四 肢の筋肉の間に入り込むタイプの脂肪腫は、筋肉を圧迫するので疼痛もあり硬く感じられます。

 

この場合は放置せずに積極的に手術した方が良いでしょう。ま た、まれではありますが、「脂肪肉腫」という悪性度の高い腫瘍の場合は浸潤や転移がみられることもあり、脂肪腫のように手術で完治というわけにはいかない ようです。