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猫の血液型について

猫の血液型は、赤血球の表面に存在する抗原(A型抗原とB型抗原)の組み合わせにより、A型・B型・AB型(まれ)の3つの血液型に分類区別されます(ヒトのABO式血液型とは全く異なるものです)。このうち最も一般的で多くみられるのがA型です。B型はA型に比べるとずっと少ないのですが、猫の品種や国・地域によって出現の度合いに差がみられるのが特徴です(下表参照)。AB型はとてもまれです。赤血球の表面にA型抗原もB型抗原も両方とも存在するまれな血液型ですが、そういう猫も存在するようです。本当にめずらしいタイプだと思います。

 表. 猫の種類による血液型頻度の違い 
猫の種類A型B型
シャム、バーミーズ、トンキニーズ、ロシアンブルー100%0%
ヒマラヤン、メインクーン、ノルウェジアンフォレスト93〜97%3〜6%
アビシニアン、バーマン、ジャパニーズボブテイル、ペルシャ82〜86%14〜18%
ブリティッシュ/エキゾチックショートヘア、コーニッシュ/デボンレックス73〜59%27〜41%

猫は犬と異なり、生まれながらにして自分以外の血液型の抗原に対する自然抗体をもっており、これらの抗体がA・B不適合輸血において生命を脅かす溶血性輸血反応の原因となります。特にB型の猫が持っている抗A型抗体はとても強力なので、B型の猫にA型の血液を輸血することは絶対に避けなければなりません。

また、この抗A型抗体の強さは新生仔猫の溶血反応という問題も引き起こします。それは母猫がB型で子猫がA型(一般的に血液型はA型が優性遺伝します)の時に、母乳に含まれる抗A型抗体を子猫が吸収することにより起こります。生まれた時にはまったく健康で元気だった子猫が、初乳を飲み始めて数日で突然死してしまうのです。これに対して、母猫がA型の場合は生まれてくる子猫もA型で同じ血液型なので何の問題もありません。つまり、母猫がA型の場合は安心ですが、母猫がB型で父猫がA型の場合は特別な注意と対処が必要になってきます。例えば、最初の数日間母猫の初乳を与えず、代理母としてA型の猫の母乳を与えたり、人口乳のみで育てたりするといったことが必要なのです。

A型・B型の判定は病院内で簡単に行なえます。もしもの場合の輸血が安全に受けられるよう、また生まれてくる子猫たちが安全に育っていけるよう、あらかじめ自分の猫の血液型を知っておくことはとても大切なことなのです。

 「輸血を受けるA型の猫」 
輸血を受けるA型の猫