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動物は洋服を着ていません。靴を履きません。だから、考えてあげなければならないことがあります。
毛皮や羽が「洋服」、足の裏のパッドや毛・爪が「靴」です
動物たちの体は、本来それだけで暑い夏も寒い冬も体ひとつで生きていけるように作られています。機能的な洋服そして靴が毛皮であり羽でありパッドや爪なのです。毛皮や羽は、雨が降ったときにはレインコートに、寒いときには防寒コートになり体温の調節を助けます。けんかをしたときには鎧よろい になって直接皮膚が傷つくことを防ぎます。爪やパッド、うさぎの足裏の毛は、地面をつかんで力強く走るために、雪の上を跳ねられるように、発達しました。パッドは汗をかく部分でもあり、舌とならんで、動物達にとってとっても大切な体温調節器官です。しかし、残念ながら今まで動物たちの体を守ってきたこれらの構造が、人と一緒に生活をするようになって、かえって動物たちの健康を害するようになったことも事実です。
たまには洗濯してほしいな
自然界では、動物たちは自ら川や湖に入ったり砂浴びをしたり、お互いに毛づくろいをすることで体に付いた寄生虫や汚れ、不要な毛を取り除きます。これは同時に皮膚の代謝を高めるマッサージにもなります。同じようなケアがペット達にも必要です。シャンプー、ブラッシング、爪きり、耳掃除、ノミ取り・・・。ちょっとした毎日の手入れが、健康な皮膚ときれいな毛艶、におわない体を作ります。かわいいね、きれいだねと声をかけられる、みんなが抱きしめてくれる、そんな場面があったら、動物達もますます人が好きになる、家族も嬉しい、最高ですよね!
衣替えもちゃんとするよ
動物の毛には、冬毛夏毛があります。冬毛は非常に密で、厳しい寒さから身を守ります。アンダーコートとトップコートという二重のコートを持っている犬種や、個体によっては冬毛になると毛足が長くなる動物種もあります。ウサギやハムスターなど小さな動物の場合、寒さに耐えられるよう皮下脂肪も厚くなってきます。それに比べて夏毛は、熱がこもらないよう、毛量は冬に比べるとかなり減少します。春と秋に見られる換毛は、これからくる季節に合った毛質になるためにとても重要です。ペット達の中には室内温度の調整された状況で飼育されるようになったことで、この換毛期がはっきりせず、一年中たくさんの毛が抜けたり、夏になっても冬毛をしょってしまっている子もいます。状況に応じて皮膚の代謝を高めるブラッシングをまめに行って正常な換毛のお手伝いをしてあげてください。
人が着せてくれる洋服!
動物に服を着せるということには賛否両論ありますが、寒い地域あるいは暑い地域原産の動物、被毛構造に特徴のある動物では、洋服を着せることが必要な場合もあります。全く違う理由で、盲導犬などでは、公共の場には動物を好かない人がいることを考慮したり、毛が飛び散るのを防ぐために、洋服が着せられていることもあります。ペット達の動きに障害を与えず、体温調節に支障をきたさない機能性の高い洋服を着用させるよう心がけましょう。
食餌は健康の基本です。食餌管理はすべて飼い主さんにかかっています。適切なフードを与えましょう。
動物の食性、年齢を考えたバランスのとれたフードを与えましょう
動物は種によって主食やその栄養素が異なります。たとえば同じものを食べているように見える犬と猫でも、実は猫の方が多くの蛋白質を必要としたり、タウリンという栄養素を必ず摂取しなければならなかったりするのです。一昔前までは「残りご飯がペットのえさ」というのも普通でした。けれど最近では、良質で与えやすい総合栄養食品がたくさん出回るようになり、栄養学的にはもちろん、嗜好性や安全性も向上し、年齢や状況に応じて種類も豊富に揃うようになりました。信頼のおけるメーカーの、バランスの良いフードを与えることが、健康への一番の早道であり必要なことでしょう。ウサギやフェレット、ハムスターや鳥のえさなどについては、まだまだ情報不足な点がいっぱいです。信頼できるショップで購入するか、当院にご相談ください。
動物にも「個人差」
そうなんです。個人差ならぬ「個体差」があります。大きくてもあんまり食べない子、小さくてもたくさん食べる子、朝はいらないけど夜たくさん食べる子、あるものを食べるとおなかを壊してしまう子、みんなそれぞれ違います。パッケージの裏に表記されている投与量はあくまで参考に、そして、自分のペットの、食餌回数や生活周期、運動量(代謝量)や体型、成長期においてはまめな体重測定で、適切な投与量(方法)を維持するよう心がけましょう。
元気がないの?それともわがまま?好き嫌い?
よく、「食欲がなくて・・・。むらがあって・・・。」と相談されることがあります。そういう場合、「では、好きなものをあげるとどうですか?」と訊くと、「良く食べます」と・・・。本当に食欲がないときは好きなものも食べません。そうなるとこの行動はなんなのでしょう? つまり「わがまま」ということになります。ちょっと食べずに待っていれば、おいしいものが出てくるとわかっちゃってるのです。食事時間は大事なしつけの時間でもあります。決めた時間に規則正しく食餌を与えることで食餌を毎日の生活のリズムの柱としましょう。時間内に食べない食器はさげる!けじめのある生活とだらだら食いにしないために必要です。
肥満は万病の元!?
「えっ? あらら、うちの子肥満ですか?」診察中によくある会話です。我が家のペットが一番!一番かわいくて当然です。でも、太っているとは皆さんあんまり思ってらっしゃらないのが実情なのです。ただコロコロしていてかわいいと思っていても、それは医学的にいえば肥満に当たります。人にもあるように犬も猫もフェレットもうさぎも、どんな動物種にも肥満は存在します。関節への負荷、心臓や腎臓・各臓器への負荷、肥満には何もいいことがありません。原因はたいがいが人の食べ物やおやつの与えすぎ、運動量と食餌量のアンバランスです。あばら骨(鳥では胸骨)が触れない、ウェストがない、ハムスターなどで前足が肩の皮に埋もれている、お尻がなめられない、立ち上がりが遅いなどといった状況は明らかに肥満です。体重管理は全て飼い主にかかっています。まめに体重をチェックして適性体重を保つように心がけましょう。肥満を指摘されたら素直にダイエット!これが絶対ペットのためになりますよ。
病気のときの食餌、特別療法食
人間が病気になると、その病気に合った食事を食べなければならないのと同様に、動物たちにも病気のときの食餌「処方食」があります。胃腸炎、肥満、腎臓・肝臓・心臓病、糖尿病、アレルギー体質、痴呆症・・・。処方食を食べると食べないとでは、治療経過や延命効果に大きな差が生まれます。処方食のお世話にならないのが一番ですが、人の食べ物や味にこだわったフードなど、おいしいものばかり食べてきた子は、処方食しか食べられなくなってしまったときに非常に困ってしまいます。日ごろの食餌であまり贅沢にならないように心がけましょう。
サプリメント(栄養補助食品)
最近では動物用の各種サプリメントがかなり多く出回るようになりました。マイルドですが維持療法として確実な効果を持つものもありますし、それによる副作用も起こさないのが普通ですが、成長期のカルシウムやビタミン・ミネラルの過剰症など気をつけなければならないこともあります。ご使用の際には過剰投与等(特に人用の物を与えようとする場合)に十分お気をつけ下さい。
動物を、家族の一員として、社会の一員として。
生活環境の変化
動物がペットになって一番変わったものの一つが生活環境です。家の中で飼う、鎖につないで飼う、ケージで飼育する。この変化は場合によっては動物たちにとって過酷な状況をもたらします。人が気付いてあげなければ、「逃げ場」がないのです。小さなケージで飼育するような動物では「特に」です。暑い、寒い、汚い、ご飯がない、お水がない、敵が侵入してきた、気の合わない仲間がいる・・・。人が「季節の変化」や「動物のいる場所」に関心を向けてあげなければ、結果は熱射病、熱中症、感染症、ひどい場合には、餓死、共食い・・・です。狭い空間に入りっぱなしではストレスもたまりますので、いつもの生活空間から開放してあげることも必要でしょう。
心地よい場所
その動物本来の住環境に近いのが理想です。特に小さな動物では、気温や湿度まで気を配ってあげてください。そしてペットの居場所はいつも清潔であること。動物がいつも安心していられるように動物専用のスペースを必ず確保してあげてください。心地よい場所を提供することは、動物にかかるストレスを最小限にし、病気にかかる率を低下させます。
自分のために、みんなのために(各種予防接種・駆虫プログラム)
犬の予防接種に関して、なぜ、今は日本にない狂犬病の予防接種が必要か、考えたことがありますか?それは「本人を守る」ためではなく、「日本に住む、人を含めた全ての哺乳類を守る」ということなのです。例えば狂犬病は、感染した場合、人も動物も致死率は100%に近く、とにかく病気を入れない、広めないということが重要なのです。人と共に生活するという事は、つまり社会の中で生活するということです。人畜共通伝染病から、ペットを守り、家族を守り、社会を守るために、予防接種や駆虫プログラムを行いましょう。
社会の一員として
社会の一員として地域に住むのに重要なことの1つがマナーです。飼っている動物のしたことは、全て飼い主の責任です。ねこちゃんのご近所での粗相、ワンちゃんの玄関先での排尿、ノーリードや込み合う場所への同行などは、動物の苦手な人にとっては嫌なことです。基本的なしつけは、もう当たり前です。マナーを守ってみんなからかわいがってもらいましょう。
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